ТРКИ第1レベル受験レポート 〜会話・読解編〜

こんにちは。マミです。

前回に引き続き、今年(2019年)の夏に受けてきたТРКИの受験レポートをお送りいたします。

 

※ТРКИの概要や申し込み、当日の全体説明の様子については前回記事をどうぞ

ТРКИ第1レベル受験レポート 〜準備・当日の朝編〜 - かあさんは雨女 ロシア語の部屋

 

 

今回は、「会話・読解編」

まずは、初っぱなからいちばんインパクトのでかかった会話試験について詳しく書きます。

(読解問題については、あんまり予想外のことが起こったりした訳ではないので、最後にちょこっとだけ書いてます。)

 

 

ТРКИの各科目の中で最も独特な試験、会話。

だいたいの問題構成は見本テストで予習してきていたものの、ネイティヴスピーカーの試験官の先生と一緒に行う試験になるので、本番はどんな雰囲気で行われるんだろうか…とドッキドキで受けてまいりました。

 

ちなみに、見本テストへのリンクこちらです

ロシア語検定試験 見本テスト・練習問題 - 日本対外文化協会

 

会話試験は、大問4問の問題構成で行われます。

大問1と2は資料も何もなく、ぶっつけ本番で試験官と会話する一問一答の試験。

大問3と4は、一定の準備時間が与えられた後で解答します。

大問3は長文を読んで要約し、設問に答える形式。(準備15分/解答10分)

大問4は与えられたお題と条件にそってスピーチを行う形式でした。(準備10分/解答10分)

 

大問3・4は、20文以上の文章で答えること。

ちなみに会話試験は一部始終をビデオで録画されます。

 

でも、試験前の全体説明で「会話試験は複数の受験者で同時に行うことがあります」とのことだったけれど、一体どうやってやるんだろう…?

そう思いながら、指定の会場(大学の一教室)に向かう私。

もうひとり受験者の方が来られ、やはり試験は二人同時に行われるようです。

 

まず問題用紙が配られたあと、ロシア語ネイティヴスピーカーの先生から説明がありました。

(『』でくくったところがロシア語での説明です)

 

『これから会話試験を始めます。最初に1問目と2問目をやる人、3問目と4問目をやる人に分かれて交互に行います』

 

なるほど、半分ずつ交代でやる訳だな。

 

わかりやすくするために受験者をAさん・Bさんとすると、

Aさんが先に先生と1問目・2問目をやっている間にBさんは3問目・4問目の準備をし、

終わったらBさんが先生のところに行って1問目〜4問目まで一気に解答し、その間にAさんは3・4問目の準備。(この時点でAさんは試験終了)

そして最後に、Aさんが先生のもとで3・4問目を解答。

とう流れになるようです。(意味わかります…?)

 

3・4問目の準備の時間だけ、辞書を使うことができます。

見本テストでは、上に書いたとおり3・4問目の準備時間がきっちりと決まっていましたが、この流れだとあまりそういった時間管理は厳密には行われないようです(だいたいの時間は計るんだろうけど)。

 

では先生の説明に戻りまして。

 

『それじゃ、どちらが先に1・2問目をやるか決めてください』

 

……。

 

えっ?

 

私たちが決めるの!?!?

 

思わず、もう一人の受験者の方と顔を見合わせてしまいました。

突然のことなので、どっちの方がトクなんだろう…? と考える暇もありません。

 

うーん、決めてもらっちゃった方がラクなんだけどな…。

もう一人の方も、「私はどっちでもいいけど…」という感じだったので、最初に一問一答を終わらせてしまおうと思い、私が1問目・2問目をやることを申し出ました。

 

なんせ、長文を読んでいる間に一問一答試験の内容(質問は全く同じ内容なのです!)が聴こえてきたら集中して読めなさそうなので…。

 

という訳で、私がまず試験官の先生と会話をすることになりました。

もう一人の方は、少し離れた席で準備。

 

まず大問1です。先生の質問に答えます。

この質問の内容は『今日のお天気は?』とか『あなたの誕生日はいつ?』とか、ごくごく初歩的な会話を促すものでした。

『誕生日はどうやって過ごしますか?』という質問もあったので、『家族が祝ってくれて、一緒にケーキを食べました』と答えました。落ち着いて答えれば難しいことはないですね。

質問が聞き取れなかったときは"Ещё раз пожалуйста."(もう一度言ってください)など言えればよかったものの、めちゃめちゃ緊張していたので「…?」と固まったりしちゃいましたが、先生がすぐ別の言葉で言い換えてくださったりしました。

 

私は英検などの経験から、一定時間答えられなかったり解答に時間がかかったりしたら容赦なく次の問題に行くものと思っていましたが、あくまでこちらが答えられるまで手を変え品を変えして、先生が会話を導いてくださっているような感じでした。

だからこそ絶対に質問からは逃げられないというか、何か言うまで許してもらえないんですけどね…(汗)。

でも全体的にとても穏やかな雰囲気で、私が何か言うと(たぶん文法はメチャクチャだったにもかかわらず)「うんうん、それでいいのよ」という表情で頷いてくださったりしたので、とても答えやすかったです。

 

ところで、何問か答えたあとで先生が『あらっ!』と突然言い出したので何事かと思ったら、『ビデオの録画ボタンを押してなかったわ!!』とのことで…(笑)。

『時々やっちゃうのよね〜』と笑いながら、最初からやり直しとなりました(ゆ、ゆるい…)。

 

また最初からか…。別の質問で仕切り直すんだろうな…。

 

と思っていると、最初の質問『今日の天気は?』

あら、同じ内容でいいの?

なんと、用意されている質問は1種類しかないようで、最初の数問だけトクしてしまいました(いいのかなぁ…)。

まあ大問1は、このアクシデントがなくてもそこそこ答えられていたと思いますが…。

 

大問2は同じく一問一答ですが、シチュエーションを与えられ、決められた設定の中で会話をする、という内容でした。

例えば『あなたは夕食を食べにカフェに来ました。店員に注文してください』とか、

『友人に電話をし、バーベキューに誘ってください』といった内容です。

「会話」試験といってもやり取りがある訳ではなく、何か一文(コーヒーとサンドイッチをください、とか)が言えればそれでOKのようでした。

 

これは質問の意図がなかなか汲めなかったものもあって、少し苦戦しました。答えることはできたと思いますが、内容はハチャメチャだったと思います。

 

ここまで答え終わったところで、もう一人の方とバトンタッチ。

私は後半戦の準備をするために、少し離れた席に移動します。

ここで問題用紙とは別に白い紙を1枚もらいました。この紙に自由にメモをとることができ、これを見ながら解答してもよいとのこと。

 

さて、ここで長文を読んだりスピーチの準備をしたりすることになるのですが…。

先ほどの大問1・2と全く同じ質問を、おそらく私よりロシア語がだいぶ上手い受験者さんが答えているのがどんどん耳に入ってくるので、やっぱりなかなか集中できません…!!!

「あ〜、こう答えればよかったのかあ…」とか考えちゃうと、もう次に進めない!

しかもしばらくすると、今まさに読んでいる長文の要約まで耳に入ってきちゃう(後半の人は大問4まで一気に答えるので)わけで…。

 

とにかく、

 

「私には!

何も!

KI☆KO☆E☆NA☆I !!!!!!」

 

と自分に言い聞かせながら、ひたすら長文を読むことに集中しました。

 

ところで、会話試験の前に私が立てた作戦は「準備の時間は、先に大問4に使うこと」。

大問4の方が自由記述の性格が強いため準備しやすいので、先に大問4の問題に目を通して必要な語彙などを辞書でざっと調べたあと、ゆっくり大問3の長文を読む…という作戦でした。

 

ところが、ここで「あーあー、キコエナイ」に集中しすぎるあまり、大問4のことをすっかり忘れておりました。

大問3の長文を読み終わり、質問にざっと目を通し、要約の文章を半分ほど書いたところで準備時間は終了となってしまいました。

これは痛恨のミス。大問4、明らかに準備不足です。

 

※前回も書きましたが、ここで「電子辞書の電池が切れる」というアクシデントも起こります。予備の電池を持ってたのは良かったけれど、ちょっとした時間ロスとなりました…。

 

ちなみに試験の内容は、

大問3→ちょっとした恋愛小噺のようなショートストーリーを要約し、2問の質問に答える

大問4→自分の読書体験や、好きな本の種類、その理由をスピーチする

といったものでした。

 

私の好きな本…、ここで前もって「ミステリー」とか「謎を解く」といった語彙を辞書で調べておけば楽勝だったはずなのに…。

ていうか、「読書」なんて国語教師としては格好の題材のはずなのに!!

 

当然、試験官の前に出てきたときは辞書を使うことは出来ないので、苦し紛れに「(推理小説が好きなんだけど語彙がわからないから)恋愛小説…って何ていうんだ? Любовь??」とたどたどしく答えましたが、その後の文が続かず散々な解答となりました。

「どんな気分の時にどんな本を読むか」という内容も盛り込むようにという条件がありましたが、そもそもこの条件文も予習できておらず、語彙を先生に一つひとつ説明してもらったうえで『で、楽しい気分のときはどんな本を読むの?』『悲しいときは?』と、私の答えに不足があるところを隅々まで丁寧にツッコんでいただきながら、なんとか解答を終わらせましたが…。

まあ、スピーチの形にはなっていませんでしたね。

 

あの様子を逐一録画したビデオをじっくりと審査されるのかと思うと、なんとも恥ずかしい…。

まあ終わってしまったものは仕方ありません。

それに試験官の先生が、私が答えられるように心を砕いて試験を進めてくださったこともあり、悔しさや恥ずかしさはあったものの、「なんとか会話を終えられた」という清々しい気持ちで次に進むことができました。

 

ТРКИは各科目ごとに正答率66%という合格基準があり、合格しなかった科目だけ次の年に再挑戦することができます。

会話試験は恐らくダメだったけれど、ほかの科目に合格して、会話だけまたリベンジしよう!!

と気持ちを切り替え、次に進むことに。

 

 

さて、次は読解試験です。

これは見本テストや対策問題集で予習してきたとおりの形式で、予想外のこともあまり起こりようがなかったので、まずまずの結果が出せたと思います。

 

試験時間は50分、長文を3つ読み、計20問の問題に答えます。全て選択問題(選択肢は3つ)です。

単純計算で、長文1つにつき15分を目安にざっと解答し、残り時間で見直し…という作戦で臨みましたが、1つ読むのに15分もかからず、心なしか見本テストより易しい文章だったように思いました。

しかも辞書を使うこともできるので、悩むような問題もほとんどありません。

他の受験者さんにとってもこの試験は解きやすかったようで、途中で退出される方もおられました。

 

先程の波乱万丈な会話試験とうって変わって、たいへん平和に終えることができた読解試験。

このあと、昼休憩を挟んで第2の難関・作文問題に挑むことになります。

 

では、今日はここまで。

次回、「作文・文法・聴解編」をお送りいたします。

 

それでは、また近いうちにお会いしましょう〜。